家計管理をするようになって、仕事観や家庭のこと、こどもや自分自身のことについて、考えることが多くなりました。
人のために生活・生きていたのを、自分事として捉えられるようになってきたということかな。
そんな今だからこそ、
「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」
日経BP 出版
ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド 著
上杉周作、関美和 訳
自分の中に潜む思い込みに向き合ってみました。
この書籍を読んで自分なりに解釈したものを、世界とか世の中の大きな出来事ではなく、普段の生活の中の出来事とからめてみたものです。なので、ちょっとそれ違うのでは…ということがあっても温かく見守り、ご指摘いただけたら嬉しいです。
- 10の思い込み
- 『分析本能』:「世界は分断されている」という思い込み
- 『ネガティブ本能』:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
- 『直線本能』:「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
- 『恐怖本能』:「危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう」思い込み
- 『過大視本能』:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
- 『パターン化本能』:「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
- 『宿命本能』:「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
- 『単純化本能』:「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
- 『犯人捜し本能』:「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
- 『焦り本能』:「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
- じっくり考えて生活してみることにする
10の思い込み
『分析本能』:「世界は分断されている」という思い込み
- あるかないか、白か黒か、正か誤か、必ずどちらかに分類されるというわけではない。
- 実は、その間にたくさん属している。
普段、しているかしていないか、できたかできなかったか、で物事の善し悪しを判断しているなと感じます。こどもが学校に行けた、行けなかった、で一喜一憂したり。
学校に行かなくても、その日できた事、日々の成長について目を向けていきたいです。お昼に自分でうどんを作って食べられた!とか。おうちでやった活動や課題とかね。
『ネガティブ本能』:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
- 悪いニュースほど広まりやすく、良い出来事・ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい。
- 過去は美化されやすい。
現在、本職の和菓子製造を休んでいるが、その間に忘れられていくんじゃないか。もう作れないんじゃないか、悪くなる方に考えがちです。作っていた頃は、菓子を褒められて頑張れていたのに、と。
今は、こどもとしっかり向き合い、将来の仕事の取組み方についてもしっかり計画する時期で、色んな情報を得たり考えることは、少なからず日々成長していると捉えよう。
このひと月続けてきた、小さなことの積み重ね記録(「できた」を手帳に毎日書き込む)を続けよう。
『直線本能』:「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
- これまでが直線だったからと言って、この先もずっとまっすぐとは限らない。
同じ毎日が積み重なっていくわけではない。親子でおうちにこもっている毎日を、しっかり観察することで、同じ1日ではないことがわかる。
昨日と違うことをひとつ取り入れて実践してみよう。どんな刺激が、ずっと家に居続けることから、外へ出ることへと変化をもたらしてくれるのか、記録を取ってみよう。
『恐怖本能』:「危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう」思い込み
- リスクとは、「危険度」×「頻度」であって、イコール「恐ろしさ」ではない。
何を選択するにしても、大小かかわらずリスクはつきものだと思います。
現状を少しでも変えようとする時、良い方に転がると予想していても、どうして不安になってしまうのでしょう。
先日、光回線事業者を変更する際にも、繋がらなくなったらどうしよう、と「不安」=「まだ起きていない事への恐怖」を感じておりました。実際のところ、回線速度が遅くなることがあっても、繋がらないことはなく、そのリスク自体大したものではないのですが。
これは本能だけではなく、性分なのか失敗を避けてきたしわ寄せか、少しでもリスクを伴うことに不安を感じてしまうこともあるようです。
小さな挑戦を次々に続け、壁にぶつかった時にどうしようかと考えて再挑戦し、小さな成功体験を積み上げていくことも、恐怖を和らげてくれるように思います。
『過大視本能』:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
- 数字を比較し、一人当たり、ひと月当たりで割り算して捉えなおしてみる。
だいぶ前に、老後2,000万円問題が世間を賑わせました。2,000万円なんて大金、どうやって準備したらいいのか。これからの生活は大丈夫だろうか、不安だけが膨れていくばかり。
そもそも2,000万円なんて数字はどこからやってきたのでしょう。
今の支出をすべて書き出して、それをもとに100歳までのマネーライフプランニング表を作ってみると…
その年必要な金額、月々必要な金額が可視化できて、いらぬ不安を拭いさり、その時々の課題を直視することができました。
『パターン化本能』:「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
- 分類を疑い、同じ集団の中の異なる点や、異なる集団間の共通点を探してみる。
- ここで成り立つことが、他でも成り立つとは限らない。
- 「過半数」「強烈なイメージ」に引っ張られない。
娘のクラスメイトは、みんな毎日学校に通います。娘は、放課後に少しだけ顔を出せたらまだいいほう。親として、しっかり学校に送り出すべきなのだろうか。今の時代は、学校がすべてではないという考えもよく聞かれるようになってきましたから、昔と比べたらこの親の立場もいくらかましなのかもしれません。
娘が過半数に入っていないからこそ、他の子にあわせてこの子にも同じように、とあまり考えなくなったものの、学校に行く・行かないの分類を問わず、たくさんのひととの交流が楽しい・難しいという状況はどちらのこどもにもあり、わが子の学校嫌いは、不特定多数のひとと接するのが苦手だからということだけではなさそうです。
『宿命本能』:「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
- ゆっくりだったとしても、変化していることに目を向けて追いかける。
- 今ある知識が正しいと思わず、新しい情報を取り入れる。
- 祖父母の年代に話を聞くことで、過去の当たり前と現在の当たり前に変化が起きていることに気づく。
夫に先立たれたら、ひっそりと暮らさなければならない。女だから、力仕事の和菓子製造の仕事はひとりでは務まらない。
周りから言われたり、無言の圧力を感じた事柄です。
そんな時代もあったかもしれませんが、今はひとり親が当たり前の家庭も多く、それを引け目に感じる必要なんてありません。
女性ひとりでも、世の中にはバリバリ活躍している方がたくさんいらっしゃいます。抱えている環境などにとらわれず、周りの魅力的な人たちを見習いたいです。
『単純化本能』:「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
- ひとつの知識が、すべてに応用できるわけではない。
- 自分の考えを疑い、知ったかぶりをしない。
- 数字だけ、単純なものだけにとらわれず、充分に向き合う。
たまに、知人から相談を受ける際に、当事者ゆえにこうだろう!と意固地になった意見や気持ちを聞くことがあります。実際には色んな考え方のひとがいて、みんなが自分と同じ考えや常識とは限らないものです。
話し合いをして、解決できるひとばかりでもない。話の通じない人もいて、どうかしようとしてこちらが疲弊してしまったり。無理に解決しない(逃げるが勝ち)、という解決方法もありますよね?
『犯人捜し本能』:「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
- 誰かを責めても、問題は解決しない。
- 「誰か」ではなく、「原因」に目を向ける。
- 「自分のおかげ」ではなく、今を不自由なく過ごせている、陰に隠れた当たり前な仕組みに目を向ける。
自分が予定していた物事が、思うように進まない時にはつい「なぜこうなったのか」ではなく、目の前のひとだったり、事態に腹をたててしまいたくなります。
急いでいるのに前の車が遅い。これをしたいのに、話しかけられて集中できない。
そもそも、なぜ焦る状況になったのか、それは今しなくてはいけない事なのか、考えてみる。
「ゆとりをもって運転できるように、あと〇分早く支度をして家を出よう」、「今はこどもと向き合う時間。お互い自分のことに集中する時間を作ったり、こどもが寝てから時間を作ろう」。
自分も、周りのひとも気持ちよく過ごせるようになりそうだ。
『焦り本能』:「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
- 小さな一歩を重ね、地道にすすんでいくこと。
- 「すぐに決めなければ」といった出来事はめったにない。
- 深呼吸して落ち着いて、しっかり現状やデータを踏まえて判断する。
これまでと状況は変わらないのに、知ってしまったがゆえにどうにかしないと!と力んでしまう事がよくあります。
実は、今日も身内のあまりよくはない話を聞いて、どうしよう、何とかしないと!明日話を聞きに行こうか、とつい先走りそうになりました。
自分の考えもまとまっていない、状況もよくわかっていない現段階で話を聞きに行っても、余計に状況を悪化させかねません。順番を間違えるだけで取り返しのつかないこともあるわけで。
今は、自分の家庭のことに注力して、少しずつ情報を集めていこうと思います。きっと、そうしている中で自分が動くべきタイミングがくるはず。
じっくり考えて生活してみることにする
その時の機嫌、体調のコンディションによってバラツキはあるものの、落ち込んだり、イライラしたり、悲しくてやりきれなく感じることはあるものです。
人間に10の本能があることを知り、その中身を知ることは、自分が今持っている考えや状況が、思い込みよるものかもしれない、と気づくきっかけになりました。
思い込みをはがしてみると、気持ちが軽くなることもあれば、なんて思い違いをしていたのかと思うものもあります。
何か決断する時や、意見を伝える時、思いを巡らす時。
「ちょっと待って、それ思い込み入ってないか?」のワンクッションを置いて、本能ではなくデータ(今の状況だったり、毎日の記録、調べられる情報)を見ながら、毎日自分の頭でしっかり考えることを心がけてみよう(思いのほか、ひとを頼って自分で責任を負えない人間であるので、「自分の頭で」というのが大切)。
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